『ラストホープ』(第1話)感想

ラストホープ』(第1話)感想
『ネオ・ウルトラQ』ではないけれど、
ドラマの冒頭から最後まで、
相当量の「Q(クエスチョン)の種(タネ)」が矢継ぎ早に撒かれ、
「え?それって何?」「今のどういう意味?」と
次から次へと必死で追いかけているうちに、
あっと言う間に70分経ってしまいました。


今現在の先端医療の現実・問題点、
単純に描かれない医師たちの背景、
彼らが放つ畳み掛けるようなテンポの良いセリフ・・等々が、
スピーディな展開の中、間断なく観る者にぶつけられる・・
最近あまりお目に掛かれなかった、
私のような妄想深読み癖のあるおばさんwには垂涎(すいぜん)
「読みごたえ」があるドラマ。
全部読み切れなくて疲れた〜・・でも面白かった。


言葉からも映像からも入ってくる情報量が半端じゃなくて、
消化するのが大変だけど、
誰にでも分かりやすく親切に、というだけでない、
時にはこういう、視聴者が必死になって画面を観ていないと
置いていかれるようなドラマもあっていい。


クールで張り詰めたプロフェッショナルな空気と、
お菓子好きやら、親父キャラやら、女たらしやら の弛緩の部分が、
まだ、十分にうまく噛み合っているとは言いがたいけれど、
そのあたりが練れて来たら、もっともっと面白くなって行くんじゃないか、と
さらに期待も膨らみます。
さじ加減が難しいんですけどね、
田辺さんや小池さんのキャラなど、特に最初のシーンでは、
ちょっとやりすぎじゃないか、とも思えたので。
だけど、『ハッピーフライト』でもそうだったけれど、
プロとしての緻密な仕事を要求されている人たちであればあるほど、
そういう弛緩をはさまないと、自分自身のバランスが保てない、
という捉え方の方が、むしろリアリティがあるんじゃないか、
という気もするので、
これからそのあたり、どれだけ不自然にならずに表現されるか、
も、興味深いところです。


ちょっと気になったのは、
先端医療、というものを大きく捉え過ぎて、
SFめいたところまで話を広げてしまうのではないか、という点。
あくまで、「今」出来ること、
あるいは、「近い将来」出来る可能性が十分にあること、
に留めて欲しい気がします。
まぁ、今回のカンファレンスシーンなどを観ると、
制作側も、そんなことは十分承知している気がしますが。


いずれにしても、このクオリティと勢いが、
ぜひ、最後まで持続してくれるといいな〜と思います。



登場人物について。
高度先端医療センターの医師たち
相葉雅紀くん、多部未華子さん、田辺誠一さん、
小池栄子さん、北村有起哉さん、小日向文世さん)が、
ま〜とにかく、全員すごく魅力的でした。
それぞれ、能力はすごく高いんだけど、
何かしら欠けた部分も持っているので、親近感が持てるんですよね。


主演は、相葉雅紀くんですが、彼一人を突出させずに、
他の5人も同じぐらいの重さで存在感を持たせているので、
群像劇のような面白さがあり、
そのおかげで、カンファレンスシーンなど、
誰が正しくて、誰が間違っている、という明確な線引きがなく、
違う視点から出発したそれぞれの考えが、
どんどんぶつかり合い、絡み合い、馴染み合って行って、
やがて結論が導き出される、という、
6人の力が拮抗した、緊迫した熱のあるシーンになっていて、
(そんな中に かなりのユーモアも入れ込んで、
しかもほとんど違和感を抱かせない、というのがまたすごいw)
まるで舞台を観ているようで、非常に面白かったです。


相葉雅紀くん(波多野卓巳)
彼の出演したドラマは『バーテンダー』ぐらいしか観ていないのですが、
セリフを前に出さずに吸い込んでしまうクセが気になっていて、
ドラマの予告で、彼の「ラストホープなんですよ」というセリフを聞いた時、
あ〜やっぱり変わってないなぁ、と思ったのですが、
ドラマ全体を通して観ると、気になるところがほとんどなくて、
内科医としてもそれほど違和感なく、
いい感じに役に入ったなぁ、と思いました。
もともと、役の芯をがっちり掴んで演じるタイプではないので、
押し出しは強くないけれど、
全体の雰囲気に違和感なく溶け込んで行けるので、
今回のような群像劇にはぴったりかと。
今後、波多野が背負うものがはっきりして来るにつれ、
いろんな感情を表現して行かなければならない、
その時に、彼がどんな力を発揮してくれるか、が楽しみです。


多部未華子さん(橘歩美)
可愛らしい容姿と雰囲気を持つ多部さんに、
「マシーンと呼ばれる脳外科医」ってどうよ、と思ったのですが、
多少の背伸び感はあったものの、想像以上に はまっていました。
高木(田辺)へのタメ口がいいアクセントになってましたねw。
回想シーンで、部屋の窓際に、
彼女(橘)のものとおぼしき賞状やトロフィーがたくさん飾ってありました。
小さい頃から優秀だった、という伏線が、
そんなところにもちゃんと引いてあって、興味深かったです。


小池栄子さん(荻原雪代)
男性陣がほとんど草食系なので、
がっつり肉食系の彼女のパワーは絶大w。
小池さんって、確かに色っぽいんだけど、
湿気を含んだ色っぽさじゃないんですよね。
だから、女性から見ても魅力的だ、と素直に思える。
この人と高木が、男と女として(だけ)ではなく、
どこかで精神的に支え支えられ、みたいになって行ったら、
面白いと思うんだけど・・(妄想中w)


北村有起哉さん(副島雅臣)
大河ドラマ義経)あたりから気になっている俳優さん。
カンファレンスの時に、
さりげなくケーキに執着してたのが、すごく可愛らしかった。
さっそく、荻原(小池)に一発見舞われてましたが、
あれは、相葉くんの身代わりになっちゃったんだよねw。
今後もあれこれアドリブかましてくれそうで、追いかけるのが楽しみです。


小日向文世さん(古牧利明)
この人が、このチームのブレーン。
一番年長ですが、それでもリーダーという立場ではないんですね。
このチームにはリーダーが不在、というのも、興味深いところです。
カチッとした雰囲気で、皆と相容れない感じですが、
抑揚なくスラスラ難しいセリフをこなす小日向さんの役作りが
面白くて、このキャラがとても好きになりました。


田辺誠一さん(高木淳二)
ネオ・ウルトラQ』の南風原の時は、
俳優としての経験の4割ぐらいを使ってキャラ作りしている、
(それで正解)という感じがしましたが、
今回は、俳優・田辺誠一の引き出し全部使って演じてもいい役
なんじゃないか、という気がします。
高木は、実(11人もいる!)と、白石(デカ☆黒川鈴木)と、
中林(夢のカリフォルニア)と、佐野(ふたつのスピカ)と、
天羽(2001年のおとこ運)etc etc・・で出来ているんじゃないか、
なんてことを考えてしまいましたw。
これまでのキャリアを全部注ぎ込んでもいい役、なんて、
滅多に出会えるもんじゃない。
今まで演じた役の振り幅がものすごく広い田辺さんなら、なおさら。


女たらしで、軽薄で、自信過剰で・・という部分が、
実は高木の本質ではない、と そう思わせられてしまうのは、
田辺さんが演じると、そうなってしまうから。
そのあたりの微妙で繊細な表現は、
私がファンになった頃にはすでに持ち合わせていたもので、
だからこそ10数年もファンで居続けられた、という気もしますがw。


自分をチャラいキャラにコーティングしている、
その奥に隠された高木の中にある憂(うれ)いを、
これからどう表現してくれるか、
40代半ばになって、一層自由になり、円熟味も増した、
俳優・田辺誠一の腕の見せ所、という気がします。


この6人以外にも、
高嶋政宏さん、桜庭ななみさん、菅原大吉さん、江口のりこさん、
平田満さん・・と、興味あるメンバーが目白押し。
彼らが、6人にどう絡んで来るか、も楽しみです。



今回私が気になったキーワード。(ほんの一部)
次期ノーベル賞候補  再生医療に長けた眼科医
そもそも何で採用されたのか?  宮城  モルヒネ
あきらめた患者を救えるかもしれない
幹細胞バンク  救わなくていい命はない  元だんな  
知りすぎていた男  斉藤夫妻 



ラストホープ
放送日時:毎週火曜 夜21:00- フジテレビ系

キャスト
相葉雅紀 多部未華子 田辺誠一 小池栄子 北村有起哉 桜庭ななみ 
平田満 高嶋政宏 小日向文世 / 佐藤祐基 佐藤江梨子 他
スタッフ
脚本:浜田秀哉 演出:葉山裕記
プロデュース:成河広明 古屋建自
『ラストホープ』公式サイト