『三代目明智小五郎〜今日も明智が殺される〜』(第4話)感想

『三代目明智小五郎〜今日も明智が殺される〜』(第4話)感想
今回は特に、ネタがことごとくツボでした。w
しかも、福山雅治ふう解説(ガリレオ)や、ピタゴラスイッチ的トリック、
という、いかにも「やってくれたね〜♪」なネタよりも、
「我慢屋!」「我慢してないっ」の中村屋グループ魂)とか、
平均台の上でバレーボールをぶつけられる(風雲たけし城)とかの、
さりげなく挿(はさ)まれてるネタのほうがもっと。

で、読み過ぎかもしれないけど、
「・・的な?」は6話への伏線なんじゃないか、とか、
予告は貞子(リング0)で、
「動けないよォ〜」はテリーとドリー(笑う犬)なんじゃないか、
・・・なんて・・・考え過ぎ?w


そんなこんな、あちこちにちりばめられたネタを探すのが すごく楽しくて
30分があっと言う間でした。
このコアなネタ探しは、今後もやみつきになりそうでコワイ。
あ〜ネタ担当者(田辺さん)に、どれだけネタが仕込まれてるのか
訊いてみたい!w


そんな軽いノリで観ていた私でしたが、
ラスト近く、三代目怪人二十面相片桐仁)と明智中五郎(田辺誠一
の対峙のシーンでは、
中五郎側に、コメディからシリアスに転調したかのような自然な変化があって
思いがけず 田辺さんの「痛み」を含んだ表情に出会い、速攻で惹かれ・・
で、ひょっとしたら、今後、こ〜んなゆるゆるコメディの中で、
ひさびさに、田辺誠一という俳優が醸し出す空気の美しさに
酔うことが出来るのではないか、という期待(妄想)が膨らんでしまった。
(だって、私は、田辺さんのそういう空気感が大好物w)


対する片桐さんが、まだ本格的に登場したばかりで、
そこまでの「美しい痛み」に繋がるに至らず、
少し、中五郎との空気感の違い(コメディとシリアスの配合の違い)
があったのは残念だけれど、
それも、今後、どんどん埋められて行くのかなぁ・・
あるいは、二十面相が、あくまで面白おかしく演じることで、
彼の底にある哀しみを浮き上がらせて行くんだろうか。


ようやく始まった「二人の物語」が、どういう方向に転がって行くのか、
前出の「おもしろネタ」とは180度違った方向から観ることが出来る
ドラマでもあると思うので、
そのあたりも楽しみにして行きたいと思います。


ただ・・
過去の二人の因縁が、現在に繋がっている、という、
この、ある意味「二十世紀少年」的な展開が、
どこかで説教臭くならないだろうか・・
安直な道徳感を押し付けるようなものにはならないだろうか・・
あの映画のように、伝えることは伝えながら、
エンタテインメントとしてうまく成立して行けるのだろうか・・等々、
かすかな不安を禁じえないのも確かで。

そのあたり、
この いかにも深夜な低予算ドラマで、
どれだけあの映画のテーマに肉迫出来るのか、なんて、
ひょっとしたら制作側も考えてないようなことを、
密かに期待してる自分・・が いたりして。w



出演者について。
ゲストは大島優子さん(AKB48)。
最初は、あ〜かわいい・・ぐらいにしか思わなかったんですが(すみません)
犯人だということがバレたあたりから魅力的に見えて来て、
中五郎を見て艶然と微笑むシーンでは、何だか息を呑んでしまった。
ん〜何だろう、桃子の下に二十面相の顔が浮かんで来た、というか、
彼が持つ(と私は期待してる)明智への昏(くら)い執着みたいなものが、
あの顔に重なって見えたように思われて。
対峙する中五郎の真剣なまなざしとガチでぶつかり合って、
火花が散ってる、と、私にはそう見えたんですよね。


だから、そこから二十面相になって片桐さんとチェンジした時に、
お笑いに流れてしまったのが、
なんだかすごくもったいない気がしてしまって。
もちろん、中五郎同様、残念感ありありのw
三代目怪人初めての本格的な登場シーンだし、
のっけからシリアスで行けないのは重々承知しているんだけど・・


まぁ、そのあたりの私個人の残念な気持ちは置いといて・・
やっぱり三代目怪人二十面相片桐仁さんは魅力的だったです。
どこか胡散(うさん)臭くてw、でも、根っからの悪人には見えない、
その絶妙なバランス感が、とてもいい。
この人も、どこか突き抜けない哀しさ(田辺さんとはまたちょっと違った)
を背負ってる、って感じがするんだよなぁ。
そのあたりがこの役にどういうふうに生かされるのか、もまた、
ドラマを観続ける上での大きな楽しみになりそう。


そして田辺誠一さん。
↑にもちょっと書いたけど、田辺さんが演じる中五郎は、
優しいゆえに傷つきやすく 優しいゆえにまっすぐな その心根も含めて、
本当に美しいと思う。
そして、それでもまだこれは「片鱗」にしか過ぎない、と思えることが嬉しい。
・・・・いいさ、誰にも共感してもらえなくってもいい!
私にはそう思えるんだから仕方ない!w


で、中五郎がそういう魅力的な存在であるためには、
実は、小林少女(小池里奈)の存在が、かなり大きいのかなぁ、とも思う。
もうねぇ、中五郎に対する小林くんって、本当にイイです。


田辺さんに話を戻しますと。
この中五郎の演じ方が、なんだか私には心地良くて。
これまでの田辺さんは、
次のセリフをどう言うか、みたいな計算がきっちり働いていて、
演じる役を外から見ている眼、みたいなものを
感じることが多かったんだけど、
この中五郎に関しては、そういう「セリフを言うぞ」というような
気負いのようなものが、いっさい感じられないんですよね、私には。


もちろん、こういう ゆるキャラだから出来ること、
ではあるかもしれないんだけど、
それでも・・そういう中ででも・・この変化が感じられたことは、
私にとっては、すごく興味深いことで。

次に違う役をやった時にどうなるのか、という・・
俳優・田辺誠一に対する興味は本当に尽きません。


それと・・
今回、ストーリーの中にメッセージみたいなものを感じたんだけど、
それは、どこか、田辺誠一監督が表現したい、と思っていたものと
似ている(繋がっている)ような気もするんですよね。
たとえば「DOG-FOOD」や「ライフ・イズ・ジャーニー」のような・・
あるいは国標津村シリーズ(公式サイトのstory)のような・・

正直、私は、田辺監督の作品に対して、
いつもどこかで消化不良になってしまって、
入り込めない気分になってしまうことが多かったんだけど。

田辺さんが監督として伝えたかったことが、
主演俳優としてだけでなく、
スタッフの一員としても深く関わっているこの作品で、
私の岩みたいに硬いココロwにうまく伝わってくれるのかどうか・・


こういうネタ満載のゆるいコメディの中でやろうとしている、というのは、
諸刃の剣で、危うく感じるところもあるんだけど、
コメディだからこそ、そういう危うさをかいくぐって伝えることが出来る、
ということもあるとも思うので。
そのあたりもまた、個人的に、すごく楽しみな部分であったりします。


・・・すみません、話が随分とあちこちに飛んじゃいました。


次回は第5話ですね。
ああもう半分終わっちゃうのかぁ〜何だか淋しいなぁ・・
(今からもうそんな気分 って・・w)