『しゃばけ』感想
これは思いがけず面白いドラマでしたね!
妖(あやかし)がたくさん出てくる、ということで、
もっとケレン味たっぷりの見世物的なものになるのかな、と思ったら、
すごく人情味溢れた深い噺(はなし)になっていて、驚きました。
何と言っても、一太郎役の手越祐也くんが、
病弱でありながら清らかで一途な一太郎の「少年」としての美しさを
体現していて、
そこに、ふたりの手代(実は妖の)仁吉(谷原章介)・
佐助(高杉亘)が絡む、
そのアンサンブルが、とても魅力的で「絵」になっていた、
というのが、大きかった気がします。
このところ、谷原さんの出演作品を観る機会が多いのですが、
この役は、本来の彼が持つ懐(ふところ)の深さを
うまく引き出していたように思います。
何をやっても的をはずさない人だけれど、
仁吉は、役そのものとしても、彼の新たな魅力発見!と
言いたくなるような、とてもいい役でした。
もちろん、原作の面白さ、あってゆえ、のことではあるんだけれど、
それを脚本にし、演出し、
VFXとして違和感なく命を吹き込んだスタッフと、
前出の主要3人の出演者の他、
十朱幸代、宮迫博之、早乙女太一、酒井敏也、山田花子、ベンガル、
といった妖たち、(十朱さん素敵〜! 太一くん綺麗〜!)
岸部一徳、真矢みき、志垣太郎、岡田義徳ら、
ワキを固めた人たちも手堅く、
(真矢さんかっこいい〜! 岡田くんのキレた演技 久々に堪能〜!)
密度の濃い、面白いドラマに仕上がっていました。
ぜひ、続編を、安易に連続ドラマなどにせず、
スペシャルドラマとして丁寧に作って欲しいな、と思います。
―――うーん、こういう質の良いドラマを観ると、
ぜひ『家守綺譚』(梨木香歩作)なども、映像化して欲しい!などと
夢見てしまいますね〜。
その時は、綿貫征四郎を田辺誠一さんでぜひ。
・・・って、結局そこに戻るのね〜。(笑)