『新・近松心中物語』感想:1

『新・近松心中物語』感想:1 
『新・近松心中物語』、観てまいりました。
で、カーテンコールが終わって緞帳が下りた時に、
つぶやいた私の第一声が、「くやしいなぁ!」でした。

 

いつもいつも、田辺誠一さんを斜(はす)に見て来た私ですが、
昨夏の『熊沢パンキース03』に引き続き、この『近松』でも、
彼は、舞台の上で、最上等の応え(答え)を用意して、
「ごらんあれ」とやわらかに微笑んでいた・・・そんな気がします。

 

どうにかして彼の弱点を探し出そうと、意気込み、気負い、
ピリ辛のスパイスを持参して行った私は、
そのスパイスを振る間も与えられず、
ただただ打ちのめされ、頭(こうべ)を垂れて、
すごすごと戻って来るしかなかった。

舞台の上の田辺さんが、
あんなに生き生きと、与えられた生を、全うしようとする、
それを、まざまざと見せつけられたら、私は・・・・

「もう、TVドラマになんか、出る必要ないよ」
・・・そう言いたくなる衝動に駆られる。

 

くやしい! くやしい!! くやしい!!!
TVは、なぜこの人に、
もっともっと「田辺誠一のすべてでぶつかって行く」役を
与えてやれないのだろう!舞台のように!!

 

だけど、まだ、私はあきらめない。「田辺誠一よ、TVを忘れるな!!」
と、あえて言おう。言い続けよう。
なぜなら、私はTVを観て、彼のファンになり、
ファンであり続けているのだから。
そして、やはり、舞台は、(TV放映でもない限り)
ほんの一握りの、幸運な人のものでしかありえないのだから。

★このコメントは、あくまで、翔の主観・私見によるものです。