『半落ち』感想:4

半落ち』:4 投稿日: 2004年2月12日(木)roji
半落ち」大ヒット!
うーん、中年層を映画館に呼び戻した功績は、
すごく大きいですよね、確かに。
夫婦で観ることで、いろいろと考えさせられるものもあったと思うし。
ただ、梶夫婦に対して、
「美しい夫婦愛」みたいな観方をするのは勘弁して欲しい、と、
個人的には思いますが。

 

魂の尊厳については「誰にも裁けない」けれど、
「殺人という罪」は歴然として残っている。
その判決を下すのが藤林であった、というところに、
そして、その判決が、
「愛の深さ」という秤(はかり)では「罪」を測ることは出来ない、
(あるいは逆に「罪」という秤では「愛の深さ」を測ることは出来ない)
という明確なものであった、というところに、
私は、ずいぶんとホッとさせられたような気もします。

   
映画には、人間の醜い部分が削られてる気がしたんですよ、私。
看病する者のエゴが、まったくないことに、息苦しささえ感じてしまって。
治っていく病なら、まだ救われようもあるけれど、
ただひたすら魂が失われる瞬間が来るのを待つ、
それを見届けなければならない看病人が、
「自分が楽になりたい」と、一瞬でも思ってはいけないのだとしたら、
それはあまりにも辛過ぎるなぁ、と。