『きみはペット』(第1話)感想

きみはペット』(第1話)感想 投稿日: 2003年4月19日(土)roji
いやぁ、面白かったです、『きみはペット』。
まず制作全体が、このドラマ(原作)の骨子をちゃんと掴んでる、
と感じられたことが、ものすごく嬉しかったです。

 

特に脚本の大森美香さん。
原作を読んだ時、
主人公のスミレに、めちゃめちゃ感情移入してしまった私としては、
あの「やりきれなさ」を、どういうふうに表現するんだろう、と、
興味津々だったわけですが、
これがうまい!めちゃくちゃうまい!!
2度目、意識してスミレのセリフを聴いてたら、ますますそう思った。

 

そして、金子文紀さんのスピーディな演出も、GOOD!
特に、スミレがエリートの階段転げ落ちるあたり、
みんなあまり興味を持たない、でも描かなきゃならない部分の、
トトトーーン、という速さが、すごく心地良かった。

 

他にも、スミレのマンションの間取り、とか、生活情報部のサイズとか、
スミレやモモの衣装とか、
音楽とか(もうちょっとボリュームさげてもいいとは思ったけど)
観ていて、あれ? と思うところがほとんどなくて、ほんと良かったです。


さて、キャストですが、
まず、土台である台本が、ちゃんと、どのキャラも立てて描いてある、
というのも大きいと思うけど、
この人はちょっと・・という人がいなくて、
みんな、過不足なく「任」を掴んでる、という気がしました。

 

スミレの小雪さん。
正直、ここまでやってくれるとは思わなかった。
ひょっとしたら、小雪さん自身の経験とかも含まれてるのかな、
という気がするほど。
特に、吉田との別れのシーンは、
観てるこちらも、感情移入してしまいました。

 

その吉田(スミレの元彼)をやった長野博くん。
「なんでスミレみたいな女性が、あんな人と」と言われちゃうような人を、
こちらが思わず納得してしまう演じ方をしてた。
なぜスミレが彼を好きになったのか、が、ちゃんと描かれてた、
というのも大きいですが。

 

さて、モモ(松本潤)。
おそらく、人間がペットになる、というところで、
ちょっと違和感のあった人もいて、
「ごくせん」等の彼のイメージからかけ離れてるので、
うーん・・と思った人もいて、
たぶん、一番評価し難い役だったのではないか、とも思いますが、
私は別に松本くんのファンじゃないけど、
今回のモモに関しては、いい点あげたいと思う。

この役は、きっと、誰がやっても違和感がある。
彼自身、番宣で言ってたように、
ペット役をやった俳優って、まだ誰もいないんだから。

そういう意味では、松潤は、今彼が持ってるもの全部出して演じてる、と、
少なくとも私にはそう思えたし、
この難役を、なんとか頑張って演じ通して欲しい、とも思いました。

 

最後に、やっぱり蓮實さん(田辺誠一)。
たとえちょっとの出でも、どきどきしました。
うーーん、可愛かった!
いや、ほんとにスミレの先輩なの?っていうぐらい、可愛かった!!
「こっちをペットにしてもいいんじゃないか?」ってぐらいに。(笑)

 

これから、どういう展開になって行くんでしょうか。
どうなるとしても、
脚本や演出を信じて、委ねたい、という気持ちに傾いていますが。

でも、しょせん、ペットはペット。
ペットじゃ、恋の相手にはならない。

とすれば、モモがペットから昇格して、スミレとSEX出来るまでになるか、
ハスミンが、恋人として、スミレに真のやすらぎを与えられるか、
どっちが早いか、の勝負、ってことになるのでしょうね。

出来れば、スミレが、モモの力を借りて、ハスミンの芯に触れ、
除々に本当の恋人としてやすらぎを得るような展開に
なって欲しいと思いますが。