『ネオ・ウルトラQ』(第2話)感想

ネオ・ウルトラQ(第2話/洗濯の日)感想
うん、私このお話好きです。 『ウルトラQ』の中でも、
もともと こういうテイストの作品が好きだったから、かもしれませんが。


ブレザレンは、人間の生活に馴染んだ 愛されキャラの怪獣ですが、
彼自身は、ただ、自分が出来る仕事を丁寧にやってるだけで、
そこに自分の感情が入っているようには見えないんですよね。


彼のやることに意味を持たせているのは、周囲の人間たち。
頑固おやじ(足立建夫)とのやりとりは、
ユーモラスな温かさ(感情は深く読めないけど体温はちゃんと感じられる、
というのは、着ぐるみ怪獣の魅力でもありますよね)
の中に ほの哀しい空気もはらんで、
でも、ブレザレンの感情があらわにならない分、ウエットに流され過ぎず、
ほど良い感傷になっていて、味わいがありました。


いつも無言で、文句も言わず黙々と仕事をこなすブレザレンに、
人間の欲求は いや増して行く。
ある日、国連事務総長堀内正美)がやって来て、
「汚れきった地球を洗濯してほしい」と頼む。そして・・
というお話。


このオチを、くだらないと取るか、
痛烈なブラックユーモアと取るか、は、観ている人間次第。
私は、いくらなんでも、このちっこい怪獣にそこまで頼むのは、
人間の怠慢だろう、と。 だから、自業自得の結末だと思いましたが。


・・でもねぇ、もしこんな怪獣がいたら、
地球全部とは言わない、せめて半径20キロだけでも洗濯してほしい、
とも、思ってしまうんですよね、ここ(福島)に住んでいる人間としては。
もちろん、それもまた、エゴには違いないんだろうけれど。


監督:田口清隆 脚本:いながききよたか
出演:高梨臨(渡良瀬絵美子) 尾上寛之(白山正平)
/ 足立建夫(大山シロウ) 藤あけみ(大山シズエ)
 堀内正美(東郷国連事務総長) 他

『ネオウルトラQ』公式サイト