853~刑事 加茂伸之介(再見)

2010・1-3放送(TV朝日系)

『853~刑事・加茂伸之介』。
1~5話を超駆け足で、6~8話をほぼ飛ばすことなく再見しました。
初見の時、私が興味を持ったのは、
田辺さんがすんなり「人情派」ドラマに入って行けるのか、ということだったのですが、
実際には、武藤勇作という人物を「作り過ぎている」という気がして、
人間味が薄いんじゃないか、とも感じて、
結果、初見の感想は、かなりキツイものになってしまっています。

しかし、今、こうして再見してみると、
そんなに目くじら立てて「カチンコチン」だとか「味がない」とか言うほど、
魅力がなかったわけではない気がしますね。
ビジュアル的にも、ビシッと決まったスーツ姿がかっこよかったですし、
加茂伸之介役の寺脇康文さんとのバランスも、決して悪くなかった気がするし、
制作側の、武藤を 加茂と「対(つい)」の形にしたい、という意図も、
十分に伝わって来たように思います。

最終回の時の私の不満の大部分は、
今にして思えば、
スタッフが作ってくれた武藤勇作のウラ設定がすごく良く出来ていた、
しかし、その設定が最後までドラマに活(い)かし切れないまま終わってしまった、
ということに対する不満でもあったかもしれません。
そういう設定の男を、田辺さんがどう演じてくれるか、という興味が、
私の中で、勝手に半端なく育ってしまっていたもので。

武藤ばかりではなく、武藤班メンバーの個々の魅力も、
もっと深く描くことは出来なかったか、という思いもあります。
加茂を演じる寺脇康文さんが、人間味にあふれていて非常に魅力的だっただけに、
班のメンバーを、それに見合った仲間に育て上げて欲しかった気がします。
キャラクター造形の面白さを もっと味わいたかった・・と言ったらいいか。
演じ方、小道具の使い方・・等々 そのあたり、もうちょっと深く、
ひとりひとりを描いて欲しかった・・と言ったらいいか。

機会があったら、ぜひもう一度チャレンジして欲しいですね、このメンバーで。
で、ぜひ、加茂×武藤を、いい相棒に育てて欲しいです。
今回再見して、改めてその思いを強くしました。

まぁ、本当のところ、私個人としては、
ベタな「人情派」ドラマって・・ちょっとばかり苦手・・ではあるんですけどw。