『弁護士のくず』(第11話)感想:1

弁護士のくず』(第11話)感想:1
弁護士のくず』第11話、観ました。
ん〜‥話の内容も、田辺さんが演じた役自体も、
好きか嫌いか 分かれそうですね、これは。


ドラマの骨子になっている部分ですが、
子供の頃、極端に人見知りで、いつも緊張して、
ありがとうもごめんなさいもうまく言えなかった私としては、
好きな相手だからこそそういう言葉が言えない小百合の気持ちって、
何となく分かるような気がしました。

杉本彩さん、雰囲気はぴったりだったんだけどなぁ、
セリフの言い回しや発声に難があって、最後まで馴染めなかったのが残念。


田辺誠一さん演じる平太はね、強いと思いましたね。
仕方なく専業主夫やってるんじゃなくて、
自分の意志でそういう道を選んで、誇りを持って主夫してる、
そこに、泰然とした強さを感じました。

演技は本当に自然。
自宅からつっかけ履いてそのまま来たんじゃないか、
と思うほど自然。(笑)

田辺さんって、話し方とかブレスの仕方にいくらか癖があって、
かすかなところで違和感持ったりすることがあったんだけど、
(あくまで私個人の感覚です、すみません)
最近は、そういうところがどんどん削れて来てる感じがして、
さらに今回は、まったくそういうところがなくなってて、
(再び、あくまで私個人の感覚です、すみません)
本当に安心して観ることが出来ました。


いやいや、本人はあいかわらず相当悩みつつ演技してるんでしょうけどね、
ああいう役を、
観てる私に何の引っ掛かりも戸惑いも感じさせずに演じてる‥
うーん、演じてるってことを感じさせないで演じてる、と言ったらいいか、
演じることに、無駄なエネルギーを使っていない、と言ったらいいか、
これはまた、ちょっと面白い方向にベクトルが伸びて来たな、
という感じがしました。

そういえば、『離婚弁護士Ⅱ』の時も、
子供を守るために闘うお父さん、だったよなぁ。
そういう役が似合うようになって来た、ってことなんでしょうね。


相当笑えると評判のくず・豊川悦司さん。
違和感あるかな、と思ったら、そうでもなかったですね。(笑)
でも、あんなにピエロ的な外観にしなくても、
豊川さんなら、十分にあのキャラを成立させられる、という気が
しないでもありません。
まぁ、これも、「二枚目(として観られる自分)」をぶち壊したい、
という気持ちが勝って出来たキャラ、ということなんでしょうか。


くずと娘とのやりとりが、とってもいい感じで、
その部分だけなら(笑)田辺さんにもやってみて欲しい、と思いました。
離婚弁護士』の時も、今回も、子持ちの役ではあるけど、
子供を背にかばってる、正面向いて対峙してない、という感じがしたので、
一度、子供と向き合って、とことん親子してる役が観てみたいなぁ、と。
こまっしゃくれた女の子か、わんぱく坊やを相手に、ぜひ。(笑)


伊藤英明くん。
もう、このあたりのポジションは彼のはまり役に
なっちゃいましたね。(笑)
くずと いいコンビ。
もうちょっと、ふたりの関係に陰影がつくと、
もっと面白くなるんじゃないか、と思うんですが、どうでしょう。


ドラマ全体の感想としては、
同じ弁護士ものであっても狙い目が違うんだ、と言われるかもしれませんが
私は『離婚・・』のドラマの組み立て方のほうが興味深かった。
エピソードの挟み方、キャラクターの使い方、等々、
『離婚・・』は非常に上手かった、という印象があります。
くずが、創作寓話(いい話だった)を使って諭すあたりは、
面白いと思いましたが。


突然素になる会話は、ご愛嬌。
くずのキャラを考えたら、
あのくらい遊んでもいいんじゃないか、と思います。
ただ、それを心から面白いと思って楽しめるかどうか、というのは、
観てる側の受け取り方次第、という、
あぶない橋を渡ってる感じは否めませんでしたけれども。