『戦う!書店ガール』(第3話)感想

『戦う!書店ガール』(第3話)感想

亜紀(渡辺麻友)は本当にまっすぐですね。
傷つくことを恐れず、誰にでもストレートにぶつかって行く。
その強さはどこから来たのか。

小幡(大東駿介)の誘いで
漫画家・あがちなお(浅利陽介)とのランチ会に出かけた亜紀は、
尋ねられるままに、どうして本が好きになったのか、
なぜ書店で働くようになったのか、を話し始めます。
子どもの頃、海外で生活していたこともあって、
極端な人見知りで、友達がいなかったこと、
その時に、先生の勧めで「はじめての物語」という本を読んで勇気をもらい、
以後、本に恩返しがしたくて、本の良さをみんなに知ってもらいたくて、
書店員になったこと・・

ようやく亜紀のバックボーンの一端が見えてきた、という感じですが、
私には、まだ、彼女が全部をさらけ出していない気がします。
たとえば、女子高生たちから土下座を強要された時の亜紀の様子、
何だか、過去のトラウマ(たとえばいじめや孤独など)に
繋がってるんじゃないか、と思えて・・
いや、もちろんそれは私の妄想でしかないんだけど。

そんな亜紀の、公正・公平な視点、というのも、
だんだん魅力的に感じられるようになって来ました。
自分を振った三田(千葉雄大)に
理子(稲森いずみ)への告白を勧めるなんて、なかなか出来ないこと。
何となく、自分と三田のことも、三田と理子のことも、
本に描かれた物語に夢中で のめり込んでしまった読者のように、
俯瞰(ふかん)で見ているような気がする。
でも、そのせいでしょうか、
私には、三田に対する亜紀の気持ちに、
恋愛としての熱や切なさがあまり感じられないんだよなぁ。

もっともそれは、亜紀だけじゃなくて、
三田にも、理子にも、小幡にも、田代(田辺誠一)にも
言えることではあるんですが。
何だろう・・誰も彼も、相手に対する想いが、
(今のところ)憧れや好意より先に進んではいないような気がするので。

それでも、小幡は、亜紀を見る表情に、いちいち「あ!」とか「お!」とか、
ちゃんとその都度都度の発見があるのが見て取れるし、
三田は、理子と田代の接近を苦しく思っているのが伝わって来る。

一番よく分からないのが田代。
少しずつ彼に惹かれ始めてるのが見えて来た理子に比べ、
どうもこのままでは、この人の理子に対する感情が、
同業者としての好意以上のものに発展して行くようには
思えないのですよね。

もちろん、まだ二人が出逢って間もないので、
これから徐々に・・ということなのかもしれないのですが、
例えば小幡が亜紀に会うごとに
彼女への想いを着実に重ねているのに比べ、
田代は、理子を(まだ)そういう対象として見ていないように思えるので。
二人を観てると、まるで高校生の初デートみたいな初々しさで
何だか微笑ましくて。w

田代は、これから徐々に理子をひとりの女性として見るようになるのか、
あるいは何かの策略を持って近づいているだけなのか・・
次回、三田vs田代のシーンがあるようなので、
そのあたりを三田くんにしっかり問い詰めて欲しいと思います。


追記。
五角形の恋愛模様みたいなのもいいんですが、
私としては、書店あるあるみたいなものも、もっと見せて欲しい。
彼らの、本や仕事に対する愛情の深さが伝わるような、
そんなエピソード、お待ちしています。


『戦う!書店ガール』     
放送日時:2015年4月-6月 毎週火曜 20:00- (関西テレビ・フジテレビ系)
脚本:渡辺千穂 原作:碧野圭『書店ガール』シリーズ(PHP文芸文庫)
演出:木内健人 プロデューサー:山下有為、沖貴子、松井洋子
音楽:横山克 主題歌:渡辺麻友 「出逢いの続き」(Sony Music Records
挿入歌:SOLIDEMO 『Girlfriend』(avex trax
協力:丸善ジュンク堂書店  制作著作:関西テレビ(8カンテレ)
キャスト:渡辺麻友 稲森いずみ千葉雄大 大東駿介 鈴木ちなみ 伊野尾慧
山中崇 マキタスポーツ 木下ほうか 濱田マリ/井上順/田辺誠一
ゲスト:浅利陽介   公式サイト