『戦う!書店ガール』(第1話)感想

『戦う!書店ガール』(第1話)感想

23:29追記あり

AKB48渡辺麻友さんと稲森いずみさんのW主演ということですが、
そうは言っても 渡辺さんに比重が行っちゃうんだろうな、
と 内心疑いつつ 観はじめ、
吉祥寺店に移動になった早々KYで突っ走る亜紀(渡辺)に痛さを感じて、
う〜ん・・どうなんだろうこれは・・と思っていたら。

理子(稲森)が、亜紀が描いたポップを全部取り払い、
「悔しかったら私を納得させるポップを書くことね」と言ったあたりから、
あ、これはなかなか面白いかも・・と感じ始めて。

極め付けは、アリー(橋本じゅん)さんの登場。
実は、アリーが出ている場面を予告で観た時、
この役が単なるイロモノとして扱われたらイヤだなぁ、と思ったのですが、
少ない出ながら、アリーがああいうキャラだった理由も、
それをじゅんさんが演じた意義も、ちゃんと伝わって来たし、
締まった いいシーンになっていたので、
ひょっとしたらこのドラマは なかなか歯ごたえあるかも・・と、
次回が楽しみになって来ました。

若い亜紀の無鉄砲な元気さと熱心さ、副店長である理子の経験と理性、
どちらも魅力的なところを持ち、どちらも足りないものがある。
そこをきちんと描こうとしているのがいいし、
二人の出会いが、この先、
長いものには巻かれろ的な店員たち(鈴木ちなみ・伊野尾慧)に、
あるいはちょっと停滞しつつあるこのペガサス書房全体に、
前向きな光を与えてくれそうな予感がするのもいい。
ああ、私はやっぱり恋愛ドラマよりお仕事頑張ってるドラマが好きなんだ、
と、改めて思いました。

ひとつだけ気になったことを。
序盤、書店の中で、出版社の柴田(長谷川)が後輩・小幡(大東)を連れ、
手土産を持って亜紀に挨拶に来る、というシーンがあるのですが、
これ、私にはすごく違和感がありました。
お客様のいるところで、書店の人間を亜紀ちゃんと呼び、お菓子を手渡す、
なんてこと、普通じゃ考えられないと思うのですが、
そんなことを気にする方がおかしいのかなぁ。


出演者について。
・北村亜紀(渡辺麻友さん)
ただの本好きのお嬢様、という感じがしなかった。
もっと一途なもの、もっと深い心を伴った何か、を
渡辺さんはちゃんと表現してくれていて、
見開いた眼に生きた光があって、気持ちがちゃんと伝わって来たし、
立ってる時の足の広げ方だとか、お辞儀をした時の手の位置だとかが、
けっこう男の子っぽくて、
そんなところも私にはなかなか魅力的に感じられました。

正直、まだ勢いだけで突っ走ってる感は否めないし、
演技力は未知数だけれども、とにかく一生懸命さは伝わって来る。
私としては、AKB48という肩書が少々邪魔に感じるほど、
すんなりと受け入れられた気がします。
今後、もっと繊細な感情表現を求められた時にどれだけやってくれるか、
ハードルは高いですが、乗り越えるのを楽しみにしたいです。

・西岡理子(稲森いずみさん)
亜紀に対して、受け身一方の役になるのかな、と思ったら、
副店長という立場、40歳という年齢、等々、
こちらもまたしっかりと描きたいものがあるようで、
稲森さんがちゃんとそのあたりを掴んで表現してくれていて、
すごく頼もしかったです。

亜紀同様、理子もバックボーンはそれほど単純ではなさそうで、
父親(井上順)や柴田(長谷川朝晴)との関係が
今後どう描かれるかも興味あるところ。
でも、ま、私としては、
書房で亜紀と丁々発止やってくれることを一番期待していますが。

・三田孝彦 (千葉雄大さん)
普通に考えれば、亜紀に憧れられて、理子に憧れて・・という
言わば三角関係を形作る役になるんだろうけれど、
亜紀にしても、三田にしても、
まだ それぞれの気持ちの本気度みたいなものが
しっかりと描かれているわけではないので、
これからどうなって行くのか、三田がどう動くのか、
まだちょっと読めない。
ただ、理子への気持ち、亜紀への気持ち、だけじゃなくて、
彼なりの、本への、あるいはペガサス書房への、愛情みたいなものも
しっかりと描いて欲しいとは思う。

千葉くんは名前だけは知っていたのですが、
演技を観るのは今回が初めて。
今のところはかわいくてかっこいいイケメンでしかないけど、
そこにどれだけ深みを持たせられるか、期待したい。

・小幡伸光 (大東駿介さん)
直前の番宣での大東くんの、
「(自分の役が)イケメン枠かと思ったら違ってた」発言に大受け。w
このあたりのポジションをしょっちゅう演じている
とある俳優さん(田辺さんのことですがw)が好きな私としては、
何だか彼のことをすごく応援したくなってしまった。
小幡の恋の行方がどうなるかは分からないけれど、
彼の心の動きも、彼に対する相手の気持ちも、
きちんと手抜きなく丁寧に描いてくれる脚本であって欲しい、
(成就するしないの問題でなく)と思います。

大東くんは『ふたつのスピカ』以来、気になっている俳優さん。
田辺さんとの久しぶりの共演シーン、あるでしょうか。

・田代俊之 (田辺誠一さん)
主人公を見守る謎の男、ということで、
初回のイメージとしては、
亜蘭先生(@小公女セイラ)に近いように感じました。
恋愛感情やその成就うんぬんよりも、
理子の仕事上の良きパートナーとか、的確な助言者とか、
まずそういう人(彼女を支える人)になって欲しい・・というのは、
毎度痛い目に遭ってるファンとしての予防線でしかないでしょうか。(苦笑)
ま、いずれにせよ、この役の立ち位置についてまだ何も分からないので、
余計な妄想はしないようにしたいですが。

田辺さん、このところ「画伯」としての活動が目立っていたので、
ちゃんと「俳優」の空気に引き込んでくれるかちょっと心配だったのですが、
まったく違和感なく役に入っていたし(当たり前ですがw)
観る側としても、余計な雑味を感じることなく観ることが出来たので、
ちょっとホッとしました。

俳優としては もはやベテランの域。
立場としても、役柄的にも、
出演者全体を背後から包んでくれるような大きな存在であって欲しい、
と思いますが、はたして・・?


『戦う!書店ガール』     
放送日時:2015年4月-6月 毎週火曜 20:00- (関西テレビ・フジテレビ系)
脚本:渡辺千穂 原作:碧野圭『書店ガール』シリーズ(PHP文芸文庫)
演出:白木啓一郎 プロデューサー:山下有為、沖貴子、松井洋子
音楽:横山克 主題歌:渡辺麻友 「出逢いの続き」(Sony Music Records
挿入歌:SOLIDEMO 『Girlfriend』(avex trax
協力:丸善ジュンク堂書店  制作著作:関西テレビ(8カンテレ)
キャスト:渡辺麻友 稲森いずみ千葉雄大 大東駿介 鈴木ちなみ 伊野尾慧
長谷川朝晴 山中崇 マキタスポーツ 木下ほうか 濱田マリ/井上順/田辺誠一
ゲスト橋本じゅん   公式サイト