『斉藤さん2』(第4話)感想

『斉藤さん2』(第4話)感想
このドラマ、摩耶(桐谷美玲)のキャピキャピキャラとか、
玉井(南果歩)グループの大袈裟な言動とか、
全体にマンガっぽい作りなので ライトコメディとして見られがちだけれど、
中身は、一話毎(ごと)、子供たちの問題に真面目に向き合うものに
なっているように思います。
今回は特に、小学4年生ぐらいの子にありがちな
テーマだったのではないでしょうか。


立花(酒井若菜)の期待を一身に背負って、
彼女の期待通りの娘になろうと頑張る知花(大野百花)。
知花には、ピアノより好きなことがあって、でもそれを打ち明けられなくて、
レッスンの時間になるとお腹が痛くなって・・
母親の期待に応えたい想いと、
好きなことを諦めることが出来ない自分の気持ちと・・
小学4年生ぐらいになると、
相手への思いやりも、自我も、ちゃんと育って来ているから・・


知花は、お母さんが大好きで、
だからこそ、本当の自分(が好きなこと)を晒(さら)すことが出来ずに、
母親の望みどおりの娘になろうとします。
母親の方は、娘が好きでやっていることだと思い込んで、
一生懸命応援するんだけど・・
そのあたりの、お互いを想う気持ちが まっすぐに伝わらなくて、
どこかでずれてしまっているところが、切なかった。


でも、知花はついに斉藤さん(観月ありさ)の力を借りて本心を告白する、
そして、こう言う、
「ママは何で自分のことを『何の取り得もない』なんて言うの?
私には自慢のママだよ」
このセリフにはグッと来てしまった。
娘に自分のような人間になって欲しくない、と、
我が身を卑下しつつ、懸命に子育てして来た立花だけれど、
娘の方は、(本人も気づいていなかった)お母さんのいいところを、
ちゃんと見つけていたんですね。


この後、玉井さんが、知花の才能を惜しんで、
斉藤さんに「あなたはあの子の才能の芽を摘んでしまった」と言うのですが、
確かに、そういう考え方もあるかもしれない。
だけど、本人が好きで、納得ずくでやっているんじゃなければ、
レッスンは苦痛で辛いだけのものになってしまう可能性があるし、
好きでなければ上達することは難しいんじゃないか、とも思うのです。
知花みたいな頑張り屋さんは、
案外、ピアノの得意な虫博士にもなれるんじゃないか、という気がしますが・・


一方、山内夫妻(田辺誠一桐谷美玲)は、
拓海(橋本涼)が体操教室を休んでヤゴを取りに行くことと、
弘高が家事一切を引き受けることとを天秤にかけちゃうような、
なかなかアバウトな楽しい一家で。w
でも、親の立場としては、子供の習い事に対して、
このくらい肩の力を抜いて向き合うのがいいかもしれない、
なんてことも思いました。


それにしても、弘高さん優し過ぎ。花柄エプロンがまた妙に似合うし。
掃除して、洗濯して、夕飯作るはずが、
そこまでパーフェクトになれなくて、デリバリーのピザになっちゃったあたりも、
(りき)んで家事をやっていない感じで、好印象だし。


うん、何となく摩耶と弘高の関係性が見えて来た気がします。
前回までは、脚本も演出も演じ手も、どこか、
山内弘高という人間をうまく扱いかねているんじゃないかと思いましたが、
(あくまで私個人の私見です)
今回は、摩耶の夫としても、ドラマ全体における立ち位置としても、
無理のないところに収まりつつあるように、私には感じられました。
(この先どう変わって行くかは分かりませんが)


弘高が摩耶に調子を合わせているのは、
かなり年上の彼の余裕がなせるわざ、なのかもしれない・・
と思えたことで、私としては何だかちょっと一安心。
もうこのまま不思議ちゃん夫婦で行っちゃってもいいかな。
だってこの夫婦のちょっと浮世離れした空気感には和ませられるし、
何だかすごくかわいいんだもん、二人とも。w


『斉藤さん2』
放送日時:7月13日より 毎週土曜 21:00- 日本テレビ
脚本:相内美生/演出:久保内充/原作:小田ゆうあ「斉藤さん」
キャスト:観月ありさ桐谷美玲 田辺誠一 瀬戸康史
猫背椿 音尾琢真酒井若菜松岡茉優 岡山智樹 早見あかり
橋本涼(ジャニーズJr.) 玉元風海人(ジャニーズJr.) 谷端奏人
勝村政信南果歩 他  
『斉藤さん2』公式サイト