『神の雫』(第5話)感想

神の雫』(第5話)感想
う〜・・ドラマ観てるあいだ ずっと全身に力が入ったままなので、
肩が凝って仕方ない!(笑)


うん、やっと「ドラマ」として動き出した、という感じですね。
田辺さんの怪演(笑)もあって、
今までどうしても一青側に気持ちが傾いていたんですが、
今回は、亀梨くんとワイン事業部の人たちの描き方が良くて、
かなり雫側に惹かれてしまいました。


イタリア長介のエピソードは、
今までのエピと同じく本当に短かかったんだけど、
今回が一番、すんなり気持ちを寄せることが出来ました。
それは、短いセンテンスの中に、役の気持ちをギュッと凝縮させて、
感情を上手に練り上げた田口浩正さんの、
これもまた(田辺さんとは質の違う)「力技」の賜物と
言っていいのかもしれません。
相手役の松田沙紀さんの透明感ある笑顔も良かったです。


それと、何と言っても神咲雫を演じる亀梨和也くんが、
役の上に、いろんな「色」を差し込み始めた、というのが大きい。
ドラマの流れとは言え、ここまで、大きな揺らぎのないまま、
割と淡色に描かれていた雫でしたが、
ここに来て、ちょっとずつビビットな色味を付け始めた、と言ったらいいか。
最後の感情の爆発も素晴らしかったけれど、
その前の、ワインから得たイメージを言葉にした後、
父・豊多香の愛をやっと確信出来た(と、この時点では思っている)雫の、
穏やかな微笑みもまた、私としては心に響くものがありました。


前回、ちょっと苦言を呈しましたが、
この人もまた、役を征服しない、役に寄り添うタイプの俳優さんだと思うし、
それゆえに魅力的になれる要素を持ってる人だとも思うし、
天才肌じゃない、そういう俳優さんが、私としては大好きなので(笑)
今後どんなふうに色を重ねてくれるのか、
楽しみに観続けて行きたいです。(すっかりミーハーファン。笑)


遠峰一青の田辺誠一さん。
実は今回初見した時に、
一青を演じる田辺さんを観ていてすごく辛くなってしまって。
何だろう・・うーん・・まるで、
たった独(ひと)りでシェークスピアの難解な台詞に挑む舞台俳優 か、
荒行に立ち向かう修行僧 みたいに見えた、と言ったらいいか・・
何だか、観ているうちに、「これ以上 自分を痛めつけないでくれ!」 と、
無性にそう思ってしまったんですよね。(苦笑)

原作(漫画)の通りにやろうとするなら、
もっともっと綺麗にかっこ良く演じてもいい役だし、
もっとあっさりと美しく一青の「苦悩」を表現することも出来るはずだ、
と思うんだけど・・・
(おそらく、他の人が演じたら、そうなってたんでしょうが)
そんなふうに簡単に一青を演じようとしない田辺さんを観ていて、
何だかすごく居たたまれない気分になってしまって。


「愛とは何だ!?」と苦悩する一青、独り苦しみ、のた打ち回る一青・・・
画面上では本当に滑稽(こっけい)なほど大袈裟で・・・
だけど、そのオーバーアクションの中から、
ほんの一片の「一青の真実」を見つけ出そうとしている・・
あえてかっこ悪く、遠回りをすることで、
一青の心の奥に潜む「闇」を探ろうとしている・・

・・と、ちゃんと納得しているつもりだったのに。
まるで苦行僧のような田辺さんを、これからもずっと観続ける勇気を、
持続出来なくなりそうになってる自分が、情けなかった。
先週「このとんでもない一青が好き」と言ったばかりなのにね〜!(苦笑)


で、一昨日から昨日にかけて、二度再見。
まったく軟弱なファンだ、と、自分を嗤(わら)って、
少しおちつきました。(笑)
豊多香が父と知った時・・雫の頬をぶった時・・の表情や台詞には、
明らかに、一青の心の在り処を掴んだ田辺誠一
溶け込んでいたような気がしました。

そして。
へたをすると、原作ファンの怒りを買いかねない、彼らを敵に回しかねない、
それどころか、ドラマ自体を壊しかねない、
そんな危ない橋を渡ってまで表現したい、田辺誠一の「遠峰一青」とは、
いったいどんなものなのだろう・・
それを観たい!と、強く思うようになりました。


おそらく来週、一青にとって、一番大きなピースが嵌め込まれる。
その時の一青の苦悩と、その後の成長を、
田辺さんがどう演じてくれるのか、じっくりと見届けたい、と思います。