『いのうえ歌舞伎☆號「IZO」』 最新情報
来年1〜2月に上演される
『いのうえ歌舞伎☆號「IZO」』の最新情報が入りました。
≪主なキャスト≫
森田剛(V6):岡田以蔵(人斬り以蔵)
田辺誠一:武市瑞山(武市半平太)
戸田恵梨香:ミツ(以蔵を慕う商人の娘)
西岡徳馬:山内容堂
木場勝己:小料理屋の店主
千葉哲也 粟根まこと 池田鉄洋 山内圭哉
逆木圭一郎 右近健一 河野まさと インディ高橋 礒野慎吾
吉田メタル 中谷さとみ 保坂エマ 村木仁 川原正嗣 前田 悟 他
≪スタッフ≫
作:青木豪(劇団グリング)
作・演出:いのうえひでのり(劇団☆新感線)
資料/DiPPS PLANET
森田剛くんが岡田以蔵なら、田辺さんは武市半平太だろうな、
とは思っていたんですが、やっぱり!でしたね〜♪
座付きの中島かずきさんじゃなく、青木豪さんの脚本、というのも、
興味を惹かれるところです。
「日常の些細な出来事や、他愛もない会話の積み重ねから
キャラクターを浮き彫りにする」
という彼の脚本と、いのうえ歌舞伎と、森田+キャスト陣が、
混じり合って、練り合わさって、どういう化学反応を起こしてくれるのか
ものすご〜く楽しみです!
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岡田以蔵については、以前から気になっていた人物でもあり、
私の中でだいたいのイメージが出来上がっていたのですが、
武市半平太については、あまり興味が湧かなくて。(笑)
でも、今回、おそらく田辺さんが武市役になるだろう、ということで、
ウィキぺディアその他あれこれ読んでみたら、
これがなかなか面白いんですよね〜。
以蔵と武市との関係というのも、結構詳しく書かれているんですが、
自分が「人斬り」という役目を以蔵にあてがった張本人なのに、
いざ、以蔵が自分の思惑から外れた働きをするようになると、
どんどん疎(うと)ましく感じるようになる、
その武市の気持ちって、何だかすごくよく分かる気がするんですよ。
従順で、素直で、可愛がって育てていたはずなのに、
自分が望んだものとはまったく違う、
歪(ゆが)んだ姿に成長してしまう子飼い犬――
自分を盲目的に愛し、
自分に向かって千切れるほどに尻尾を振り続けるその犬は、
その憎めない瞳の中に、どこか狂気じみたものをも内包していて、
やがて、飼い主の手に負えない凶犬になって行く――
でも、そういう禍々しさ(まがまがしさ)が以蔵に植えつけられてしまったのは、
実は、彼に対する愛情の注ぎ方を間違えた武市のせいでもあった、
とも思うんですよね。
そのあたりの葛藤というか、苦悩というか、恐れというか、が、
武市にはあって、
「邪魔な人間を殺せば殺すほど先生(武市)は喜んでくれる」という、
謝った価値観を芽生えさせてしまった以蔵との確執が、
どんどん深まってしまう、
そういう、お互いに何とかしようとすればするほど
気持ちがすれ違ってしまう、みたいな、
「痛さ」というか「切なさ」というか、が、
ふたりの間にはあったんじゃないか・・・
そんなふうに考えると、
以蔵という人間の、一途で真っすぐな、
それゆえに行き場を失った武市への信頼と愛情も、
それを全部受け止めきれなかった武市の生真面目な硬さ、みたいなものも
私には、すごく魅力的に思えるんです。
・・・いや、たぶんそれは、
私が、以蔵を森田くんが、武市を田辺さんが演じるから、
という色メガネで観てるせいには違いないんだろうけれど。(笑)
それにしても、そのあたり、どんなふうに描かれるか、
興味津々ではあります。
ちなみに、以蔵の辞世の句は
「君が為 尽くす心は 水の泡 消えにし後ぞ 澄み渡るべき」―――(泣)
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―――さて、森田剛くんと、田辺誠一さん。
実は私、このふたりが醸し出す雰囲気というのが、
ものすごく好きだったりします。(笑)
うまく言えないんですが、『月下の棋士』でも『荒神』でも、
お互いに相容れないことを認めることで、お互いを理解しようとしてる、
みたいな、背を向けていながら、心はお互いを求めてる、みたいな、
少年マンガの永遠のライバル、みたいな(笑)
すごく面白くて不思議な空気が流れていた感じがしたんですよね、
ふたりが一緒の時に。
で、今回は、二人の関係にもっと陰影がついて
大人テイストになりそうなので、
さらに楽しみにしているところなんですが・・・
森田くんの以蔵に関しては、こんなふうになる!というのが、
私の頭の中にしっかりと映像として浮かんでいるのですが
(すでに妄想100%。笑)
田辺さんの武市に関しては、まだ、私の中で、
像をうまく結べないんですよね。
いくらか不安がないわけじゃないのですが(時代劇+舞台だし〜。笑)
『荒神〜Arajinn〜』であの風左衛門を田辺さんにあてがってくれた
いのうえさんと、他ならぬ田辺さんの今現在の「勢い」を信じて(笑)
楽しみに待ちたい、と思います。
thanks to appiko