『東野圭吾ミステリーズ・二十年目の約束』感想

東野圭吾ミステリーズ・二十年目の約束』感想
ふわ〜んとやわらかくて優しくて、幸せな気持ちにしてくれるドラマ。
実質45分、大きなヤマも思い切ったどんでん返しもなく、
淡々と物語は進んで行く。
小説を読むようなハラハラ・ドキドキ・ワクワクといったときめきはないけれど
詩的な夢物語の情景を遠くから眺めているような、
甘酸っぱい感傷を抱かせる。


篠原涼子さんは、
私の中では『アンフェア』の雪平のイメージが強く、
男前な力強いかっこよさを表現出来るエッジのきいた女優さん、
という印象だったのだけれど、
今回は、女性らしい情感のある役を優しい色合いでしっとりと、
しかも、かわいらしく演じていて、
新たな魅力の一端を観たような気がした。


田辺誠一さんは、
限られた短い時間の中で、
さまざまな気持ちの変化を表現しなければならなかったこともあり、
役の気持ち(素直な感情)を作り上げることに難儀しているように見えた。
そのせいか、役へのアプローチが弱い(浅い)ようにも感じられたが、
ポイントになるところでは、さすがにきっちりと魅力的な表情を作っていて、
こういう役を、こんなふうに嫌みなく、
しかも年齢を感じさせずに、
サラ〜ッフワ~ッと、ひたすら心地良い雰囲気で演じられてしまうと、
もうなんにも言えなくなってしまうなぁ、と、
改めて惚れ直したりしてw。


う〜ん、でもでも、やっぱりもったいないと思う。
篠原×田辺で、これだけの空気感が作れるのであれば、
こんなおとぎ話的テイストで、しっかり作り込んだ長編ドラマをぜひ!
と願ってしまうのを止められない。
30代〜40代の(ドロドロじゃない)優しくて美しくて切ない恋愛ドラマ、
もっと作って欲しいです、
こんなに素敵な俳優さんたちがいるんだから。