『MR.BRAIN』(第4〜7話)感想

『MR.BRAIN』(第4〜7話)感想
これは、ゲスト俳優に「あてがき」された役ではないんでしょうか?
3話の亀梨和也くんの時も思ったのだけど、
ストーリーが出来上がってから、その役を誰に演じてもらうか
決まるのではなく、この俳優さんにどういう役をやらせてみたいか、
そこからストーリーを組み立てて行ったように思えてならないんだけど。


例えば、亀梨和也に 婚約者を襲うエリート医師を、
佐藤健に 記憶障害のピアニストを、
木村多江に 複雑な病気を抱えた弟を持つ姉を、
仲間由紀恵に 15年間外界と遮断された生活をしていた多重人格者を・・
で、おそらくは、市川海老蔵に対しても、上川隆也に対しても、
特別な、彼らに演じて欲しい「役」が用意されているのではないか、と。


3話の感想にも書いたけど、
ストーリーそのものを、推理ドラマとして追ってしまうと、
物足りなさを感じてまったくつまらないし、
そもそも、そこから派生する「人の死」というものに関しての、
制作レベルでの痛みや悼みは皆無と言っていいので、
(もっとも、これは、ほとんどのサスペンスドラマに共通してると思うけど)
命がすごく軽い感じがしてしまうのだけど、
でも、このドラマではそういうこと(命の重さや謎解き)は重要じゃなくて、
「この人(俳優)にどういう役をやらせたいか」という制作側の発想と、
「あてがき」された役を与えられた俳優が、
その役をどんなふうに演じるか、を楽しむドラマなんじゃないか、
という気がして仕方ないんですよね。


「役」を与えられた俳優さんは、それぞれ、かなり冒険をさせられている。
普段演じている役柄とは違った一面を引き出されていて、
「え!?この人がこんな役を!?」という意外性に、
観ている側は驚かされる。
で、それこそが、このドラマが狙ってる「核」のひとつ なのではないか、と。
・・・あいかわらず、妄想が多分に入ってますがw。


そんな中での木村拓哉さんの立ち位置、というのが、
私には、非常に心地良いんですよね。
観ていて、私は、何故か無性に金田一耕助とダブって仕方なかった。


金田一という人は、殺人者に対して、ものすごく自分の心情を寄せて、
殺人に至るまでの犯人の心の痛みの蓄積を、
すべてすくい取ろうとしてくれる人のように思えるんだけど、
この九十九(を演じてるキムタク)は、
「犯人」あるいは「犯人役を演じてる俳優」に対して、
金田一に似た近づき方をしていて、
あくまで「支え役」として、最終的な責任を全部引き受けようとしている
ように、思われるんですよ。
・・・いや、だから、あくまで私にはそう思える、ってことなんだけど。


ということで、
あいかわらず面白く・・とは言えないけど、
非常に興味深く観ているドラマです。