『黒部の太陽』感想

黒部の太陽』感想
一昨日・昨日の二夜に渡って放送された、
フジテレビ開局50周年記念ドラマ『黒部の太陽』。

久々に「男のドラマ」を観た!という充実感がありました。
何と言うか、重くて、不器用で、歯ごたえがあって、汗臭くて、
でも、一人一人が命がけで仕事と向き合い、
懸命に人とぶつかり合って生きている・・


この骨太な脚本を書いたのは誰だろう、と思ったら、
NHK大河ドラマ風林火山』(2007年)を書いた大森寿美男さん。
演出が『人間の証明』(2004年)『パンドラ』などの河毛俊作さん。
・・なるほど、おおいに納得。


男のドラマとして作り上げた分、
恋愛ドラマ的甘さはあまりなかったけれど、
何でもかんでも恋愛話を入れなきゃならないわけでもないだろうし、
このドラマでは、そのあたりのサジ加減も良かったように思いました。


キャストがまたフジオールスターキャストと言っていい素晴らしい布陣で。
若手・中堅・ベテランと、徐々に層が厚くなって行く、
そのバランスが非常に良くて。


何と言っても、香取慎吾さんが、武骨な親方を、
背伸びしているふうもなく、きっちりと演じていて、とても気持ちよかった。


もう一人の主人公と言っていい小林薫さん。(実は大好き)
あいかわらず出過ぎず抑えた演技。


事故で死んでしまう勝地涼くんは、清涼感があって美しく、
メリケンサックキャラから元に戻って良かったw)
ユースケサンタマリアさんは、「踊る・・」の真下に似たポジションで、
知性派なんだけど、嫌味がなくて。


彼らは確かに素晴らしかったんだけど、
その周りを囲む人たちが、また、とても良かったです。


中でも、私は、
中村敦夫さん、小野武彦さん、柳葉敏郎さん、津川雅彦さん、
伊武雅刀さん、平泉成さん、國村準さん、火野正平さんら、
ベテラン脇役陣の素晴らしさに、改めて感動しました。
自分の役目を知り、過度に演じず、しかもしっかり存在感があって。


TVドラマの衰弱がささやかれて久しいけれども、
やる気になれば、こういうしっかりしたドラマが作れるんだ、ということを、
再確認出来たことが嬉しかったです。