田辺誠一さんに演じて欲しい役/ 行天晴彦@『まほろ駅前多田便利軒』(三浦しをん:作)
田辺誠一さんに演じて欲しい役、というのを、
時々考えたりしているのですが、
今現在のイチオシは、
三浦しをんさん作『まほろ駅前多田便利軒』(直木賞受賞作)の
行天晴彦。
読んでいて、行天のどのシーンも田辺さんに重なって、困るほどでした。
健康サンダル、白い小指、一言しか話さなかった高校時代‥‥
きっと髪は少し長めだろうなぁ‥‥(妄想がとまらない。笑)
行天を拾うことになる相棒(高校の同級生でもある)多田啓介は
堤真一さんに。
多田も行天も、子供っぽさと大人らしさと両方持っていて、
ひとりの寂しさを背負いつつ、
それでもちゃんとひとりで立ってる人じゃないといけないと思うので、
堤真一さんと田辺誠一さん。
うん、内野聖陽さんの多田も良いけれど、軽トラックに作業着ときたら、
私の中ではもう、堤真一さん以外考えられないので。(笑)
でも、多田役を堤さんに、というのはともかく、
行天役を田辺さんに、というのは、
違和感ある人たくさんいそうですよね。(笑)
私自身、読んでいて、ああこれはもうこの小説側から見たら、
行天はきっと、オダギリジョーくんあたりなんだろうなぁ、
とも思ったのですが。(笑)
でもね、田辺ファンである私側から見たら、行天は、
中林倫太郎(夢のカリフォルニア)であり、
天羽良之(2001年のおとこ運)であり、
観音崎実(サボテンジャーニー)であり、
広瀬ヘンリー(笑う三人姉妹)であり、
新藤健二(ブルースハープ)であり、栗田勝裕(ハッシュ!)であり、
矛盾してるかもしれないけど、
今までまったく田辺誠一が演じたことのない役、
おそらく田辺誠一にとってすごくやりにくい役、でもあるんじゃないか、
と思うんですよね〜。
(実際に読んでみて、「行天のどこがっ!?」と思われる人がいたら、
ごめんなさい、って謝るしかないんだけど(笑)。
でもでも、私にはそう感じられてしまったんだからしょうがない)
行天も、多田も、それぞれに背負っているものがある。
読み進むにつれ、それが少しずつ浮き彫りになって来るんですが、
しかしそのあたりは、私としては、
もうちょっと練って欲しかった気もします。
ちょっとヒリヒリし過ぎてる、生っぽい、と思うのは、私だけでしょうか。
ゆえに、捨て犬(チワワ)や由良やルルや星あたりとの絡みが
好きだったりする私。
ああ‥ジーンズにサンダルばきでチワワを懐にいれてタバコふかす行天を、
田辺さんで観てみたい♪(笑)
前髪輪ゴムでとめたり、ポケットを鼻かんだティッシュでいっぱいにしたり
凪子(私の中では高島礼子さん)に「春ちゃん」って言われたり、
小学生の由良(私の中では須賀健太くん)と同等にやりあったり、
娼婦ルル(私の中では酒井若菜さん)に何の偏見も持たずに接したり‥‥
とにかく、優しさとか残酷さとか強さとか弱さとか、
いろんなものをいっぱい抱えてる行天が、
ある部分では、
今現在の田辺誠一という俳優に重なって見えて仕方なかったし、
ある部分では、まったく今まで見せてもらったことのないものが
引き出されるかもしれない、とも思ったりして。
それにしても、一話ごとの表紙を飾る下村富美さんのイラストは、
あまりにもかっこ良すぎだと思う。(笑)
設定は30代半ばらしい行天と多田。
彼らのやってることは、ちっともスタイリッシュじゃない、
かっこ悪くてダサく感じられなきゃいけないんだと、
私は勝手に思ってるんですが‥
そしてその、かっこ悪いことを、いい大人が懸命にやってるところが、
面白いと思うわけですが‥
こんなこと言ったら、しをんファン、行天・多田ファンから
お叱りを受けるかなぁ?(笑)
追記。
最近、この本を再読して思ったんだけど、
私は、行天のように、誰かに少しだけ甘えてる田辺さん
ってのが観たいのかもしれない。
甘えすぎはイヤなんだけど、ちゃんとひとりで立ってて欲しいんだけど、
でも、心のどこかで、ほんのちょっとだけ誰かに甘える自分を
許してあげてる、そういう田辺さんが観たいのかもしれないです。
私のイメージの中の行天がどういうビジュアルか、
というのを知りたい方は、
現在発売中の『UOMO』(11月号)152ページをご覧下さい。
(ただし、首から下は、アルマーニでなく、
ヨレヨレコートにジーンズにサンダル履きでチワワを抱いてる、
ってことで。笑)