『リバース』感想

『リバース』感想

2017年4-7月期、私が観たドラマの中で一番面白かったのがこれ。
視聴者に何を伝えたいのか が明確なうえに、
脚本・演出・出演者それぞれが、
1シーン1シーンを実に丁寧に作り上げていて、
メインとなる青年たちの弱さ・痛み・複雑で奥深い感情等々が、
無理なく伝わって来ました。
また、苦しかったり辛かったり胸を痛めることが多い状況が続く中、
自然かつ絶妙に差し込まれたかすかなユーモアに
救われた気分にもなりました。

藤原竜也さんのちょっとおどおどしていてダサい感じがとても良かった。
この人の役掴みの的確さには本当に驚かされます。
舞台出身でもあり、映画などでもよくオーバーアクト感のある
演じ方をする人ですが、
今回はそういった自分に沁みついたイメージをことごとく払拭していて、
改めて彼の「演技の凄さ」を見せつけられた気がします。

藤原さんとともにメインキャストとなった戸田恵梨香さん、玉森裕太さん、
三浦貴大さん、市原隼人さんの抑制の効いた演技も見ごたえがあり、
門脇麦さん、趣里さんら若手や、
武田鉄矢さん、片平なぎささん、志賀廣太郎さん、YOUさんら、
力のあるベテランとのバランスもとても良かったです。
そして、すべての発端となる小池徹平さん、
きらきらした笑顔の底にあるかすかな陰影が、
ちゃんと画面に焼き付いていたことが嬉しかったなぁ。

広沢(小池徹平)の命の重さを背負う覚悟をすることによって、
本当の大人へと歩み始めた深瀬(藤原竜也)、浅見(玉森裕太)、
村井(三浦貴大)、谷原(市原隼人)‥
彼らの「これから」も、見てみたい気がしました。

演出に、『ふたつのスピカ』以来ずっと気になっている
塚原あゆ子さんの名前があったのが嬉しかった。
(三代目明智もこの人の演出だったんだよなぁ)
あ、それから、主題歌(シェネル「Destiny」)が、めちゃくちゃ
かっこよかったです。


『 リバース 』     
演出:塚原あゆ子 山本剛義 村尾嘉昭  原作:湊かなえ『リバース』
脚本:奥寺佐渡子 清水友佳子 プロデューサー:新井順子 
音楽:横山克 主題歌:シェネル「Destiny」
製作:ドリマックス TBS
出演:藤原竜也 戸田恵梨香 
玉森裕太Kis-My-Ft2小池徹平 三浦貴大 市原隼人
門脇麦 趣里 
バッファロー吾郎A 尾上寛之 山崎裕太 夏菜 堀部圭亮 いしのようこ 山崎銀之丞
志賀廣太郎 片平なぎさ YOU 村井國夫 武田鉄矢
公式サイト