『夫のカノジョ』(第2話)感想

夫のカノジョ』(第2話)感想
今回も、あっという間に終わってしまいました。
面白かったですが、凄くテンポが速いので、
正直、50過ぎのおばさん(私)は追いかけるのがやっと。w
もう少し 全体の流れに緩急をつけてくれると、
さらに余裕を持って物語に入り込めるんじゃないかと思うのですが、
まぁ、ありえない設定に観る側を引き込むために、
あえてスピーディな展開にしている、とも思えるし、
そのリズム感がいい、とも言えるわけで。
これから徐々に落ち着いた場面も出て来るかもしれないので、
それを待ってみたいと思います。


それと、音楽(BGM)が、私にはちょっと気になりました。
いや、曲自体はとても魅力的なんですが、
あまりにも頻繁に使い過ぎるし、音が大き過ぎるように思うし、
セリフに被(かぶ)ってしまうことも多いので、
時々うっとおしく感じられるのが、なんとも もったいない。
もう少し、使うシーンを絞り込んで欲しいと思いました。


前回、「シチュエーションの妙味」と書きましたが、
それは今回も活(い)きていました。
身体が入れ替わる、というのは、決して目新しい話ではないのですが、
同級生の男女、とか、父親と娘、とか、ではなく、
同性の、しかも夫の(不倫相手と妻が誤解している)部下と
その妻の身体が入れ替わる、というシチュエーションにしたことで、
他の入れ替わり作品同様「ありえない話」ではありながらも、
チェンジしたことで二人が‘経験’して得るものが、より現実味を帯びた、
観る者が共感出来るようなものになっている気がします。


星見(川口春奈)は、菱子の専業主婦としての柵(しがらみ)をぶちこわし、
菱子(鈴木砂羽)は、自分の経験値を生かして
星見を OLとしても女性としても一人前にして行く・・
長所が相手の短所を補って、お互いが魅力的な女性になって行く・・
そのステップがそれぞれの場で見え始めたことが、興味深かったです。


そんな彼女たちの妨げとなる人たち・・
たとえば、商品開発部・杉下(石倉三郎)にしても、
PTA会長・相川千代乃(山村紅葉)にしても、
根はいい人、という雰囲気が感じられて、なかなかの好印象。


杉下は、星見(中身は菱子)に
開発部としてのメンツをつぶされたはずなのに、
相手のいいところはちゃんと認めているし、
星見の料理のアイデアをそのままそっくり貰っちゃおうというほど、
ずるくもないし、適当に仕事をしているわけでもない、
コメディとはいえ、ちゃんとした大人の部分がある。


相川は、なかなかやっかいな相手ではあるけれど、
どこかチャーミングなところがあって、憎めない。
トラブルメーカーには違いないけれど、
こういうメリハリのはっきりしたドラマ(特にコメディ)には、
彼女のような、単純明快なヒール(悪役)が必要なのかな、とも思います。


田辺誠一さん。
たとえば、実(11人いる!)とか、白石(デカ☆黒川鈴木)とか、
弘高(斉藤さん2)とか、と同じように、
完全にコメディ仕様の演技になってしまうのかな、と思ったら、
そこまで浮きっぱなしの感じはなく、少しだけ重みを加えてあって、
そこが興味深かったです。
もう少しシリアスの色味を足してくれると、
もっともっと役に深みが出るような気がしますが、
田辺さんにしてみれば、そのあたりは全体の調和を鑑(かんが)みて・・
ということなのかもしれません。


二人のチェンジに気づかない麦太郎は鈍感、という
第1話の感想も散見しましたが、
そもそも誰かの身体がチェンジするなんてありえない話ですからね〜
多少性格が変わっても、外見が菱子であれば愛し続ける(らしい)、
一方、中身が菱子の星見にも惚れてしまう(らしい)、
・・とすれば、結局どっちに転んでも菱子を愛してるには違いないわけで、
菱子への愛が揺るがないムギムギ、なかなかいい男じゃないか、
なんて、私なんかは思い始めているわけですが。w


さて、菱子が いつ そのこと(麦太郎の揺るぎない愛)に気づくのか、
そこに至るまで、麦太郎の「外見が星見で内面が菱子」への想いが、
どのように表現されるのか・・
まずは脚本、頭なでなでぐらいじゃ満足出来ない田辺ファンの
溜飲を下げるようなシーンをどうかプリーズ、江頭さん。


   余計なことですが、田辺さん、顔がちょっと赤いのが気になりました。
   風邪でも引いてたんでしょうか。


夫のカノジョ
放送日時:2013年10月24日(木)21:00-(TBS系)
脚本:江頭美智留/演出:二宮崇/原作:垣谷美雨夫のカノジョ
編成:加藤新/プロデュース:井上竜太ホリプロ
キャスト:川口春奈 鈴木砂羽鈴木福 古川雄輝 大友花恋
石倉三郎 柳沢慎吾 山村紅葉渡辺えり片平なぎさ田辺誠一   

『夫のカノジョ』公式サイト